第72回カンヌ国際映画祭の最高賞をとってから話題の「パラサイト」、先日観てきました。いや面白かった!!
この後どうなるんだろう、と展開を予想しながら見るんですが、話がどこに向かうのか全然読めないんです。え、?どうすんの?って感じでずっとハラハラさせられていました。見終わった後体力吸い取られてヘロヘロでした...(いい意味で)
さてどんなお話かというと?
パラサイトとは寄生という意味。この映画のタイトルが表すように、とある全員失業中の家族がお金持ちの社長一家のへと「寄生」していきます。
最初は友達の紹介で、半地下に住む長男が社長一家の娘の家庭教師を始めます。そこから、社長一家の息子の絵の教師、運転手、家政婦....と次々に半地下家族が社長一家の家で「職」を得て家に侵入していきます。しかし社長一家は半地下家族が一家の家に「計画的に」浸食してきていることに気づかないのです....
このあたりはちょっと漫画の「ヒル」を連想させる展開でもありました。
しかし物語はこのままでは終わりません。
「パラサイト」にはさらにもう一つ、なんならその先にも「寄生」が示す事実が含まれているのです。
またこの映画のすごいところは、ギリギリありそう、と思わせる話の展開。貧富の差を「においや空気」で表現することで2つの家族の住むコミュニティーの違いを表した手法。実に見事でした。
気になった方は本編を実際に見てみてください!
半分コメディーのように描かれながら、貧富の差や社会に潜むゆがみをあらわにしたみごとな映画だと思いました。金持ちは悪いやつ、貧乏人は憐れむ存在、などではなく、そのコミュニティーの中で生きる人は「良い人」であっても、両者の差が明らかに存在していることを示したのだと思います。それをどうしたらいいのか、それはまた個々人で考えていくべき問題なのでしょう。まずは自分のいる世界が当たり前、ではなく、ほかの世界もあることを認識することが第一歩なのかもしれません。